【ITコンサルの心構え】<類型化>無駄な業務プロセスの類別

今回は、ITコンサルをしているとぶち当たる問題について類型化してみたいと思います。これは、ある先輩の言葉です。

システムを再構築する場合など、システムが変わるので、それに伴って業務プロセスを見直すことに直面します。ベンダーという立場で、クライアントが望む業務プロセス改善に沿って、システムを作っていけば良いと割り切ってしまえば、何の悩みもでませんが、私は一応ITコンサルなので、クライアントにとって本当に良いシステムを作りたいと考え、クライアントと正面で議論していきます。そんな経験からも、面白い表現による類型化なので、是非、読んでもらえれる嬉しいです。

 

①「船腹の殻牡蠣」 → 長い航海のうちにへばりついたもの

 現行システムでは、過去に必要な帳票であったが、新システムを構築するときも同じものが必要と要望されることが多々あります。過去の法的対応や、現行システムの制約のもとに発生したものや、はたまたある個人の必要性から作ったものなど。結局、新システムを構築する場合に不要なものを再整理すると、半分以上が不要になったりします。

 

②「過去の呪縛」 → 過去には必要であったが、現在は必要性がないのに惰性で続いているもの

 例えば、現行システムから新システムへデータ移行をする場合、新システムでは不要なデータまでデータ移行対象にしようとする場合があります。現行システムや過去の業務前提では、当たり前の管理データであったものを踏襲して管理しようとすることがあります。

 また、情報システムが未発達であった時代では、契約書や点検などはすべて現場で紙で書いて、自社に戻ってきてから手打ちしてシステムに登録したものです。現在は情報システムも発達して、現場にモバイルを持っていき、その場でリアルタイムに最新データを見れたり、その場でタブレットに入力して送信すればシステムに反映される仕組みも簡単に構築できます。そういったお客さまサービス向上や2重作業防止などのメリットが享受できるものの、現行の紙での管理を維持すべく抵抗にあう場面があります。やはり業務プロセスが変わることにより、誰かの仕事を奪うことになるので、抵抗は生じるものでしょうが、浮いた時間で新しいことに取り組めると前向きに捉えられるようにしたいものです。

 

③「これまでの必要悪」 → 他の業界から見れば不要なものではあるが、公共性の観点から止むを得なかったもの

 電力やガス業界は公益企業であるために需要家視点に立って督促活動をきちんと行おうとします。需要家の立場であれば、コンビニで振込払いするのを忘れたら、勝手に電気やガスが止まると困りますもんね。そのため、システム投資にも現行システムと同様にお金をかけようとしますが、実は金払いの悪い需要家にお金をかけるのは企業の立場に立てば、売上も利益にも繋がらない、ただのコストになりかねません。